壁抜け
2024年4月30日(火)〜5月11日(土)
12:00〜18:00(月曜・休)
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誰もいないホテルの廊下、窓のない地下のプール、レイトショーのあとのショッピングモール、ふと迷い込んでしまった巨大倉庫、開店前のゲームセンター。見る前からすでにあり、あとからあったと知る時空間。傍らにある密室のバックヤード。私たちはそれらへ壁抜けする。 国家的な枠組みを超えて見られる、歴史や文化と無関係な場に着目する。私たちの傍らで控えている、交換可能でマッシブな存在。遡行的に、あとから遅れて発見される匿名的な場。こうした存在や場をふと目撃する感覚を、「壁抜け」と表現する。「壁抜け」とは、<そこにうっかり抜けてしまった> <それは見る前からあった>がもつれた感覚である。 それは「写真」の2つのテーゼ<その瞬間にまさに出会った> <それはかつてあった>よりもありふれた、それでいてもっとも不確かな感覚、「なにかを見る」という感覚——不可逆でありながら代替可能な「目-存在」の感覚である。
<立花光プロフィール>
2023年 京都市立芸術大学美術科 構想設計専攻 学士 2023年- 京都市立芸術大学大学院美術研究科 構想設計専攻 在籍 建築模型を中心に様々なメディアを扱いながら、確率的に不確かな世界を実感としてとらえるために活動をおこなう。