憧景 自画像の系譜
2022年9月13日(火)〜9月24日(土)
12:00〜18:00(最終日〜18:00/月曜・休)
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ある時自分の眼を描こうと思った。虹彩のパタ-ンによる単純な人間の個体差だけが描かれた自画像。それ は肉体の衰えにも左右されない、表情の違いもない変わらない自画像。それはどうあがこうが変われない自 分の自画像でもある。それが面白いと思った。
それを描こうと自分の眼を撮影したが、それには自分が見ている画像が映り込んだ。変わらない、あるいは 変われない自分の虹彩のパタ-ンに重なって見える、どんどん変化する眼の表面の画像。それも面白いと思 った。
それは自分が見た画像、しかしそれは自分の脳内に物質として蓄積された記憶の画像ファイルとして自分し か見ることのできない画像、しかもそれはその時五感によって認識した音や匂いの情報も含んだもの。そし てそれは自分が死んだら自分とともに永遠に消えてしまう極めて私的なイメ-ジ。つまりそれは自分の命そ のものであり、それを描くことは命の表現だと思った。
自分はいったい何者なのか。何のために生まれ、生きて死んでいくのか。それは人が誰しも考える普遍的な 問い。これまで描かれた無数の自画像にはその問に対する真摯な探求の眼差しがある。 はたして自分が描 いた眼の絵が、その自画像の系譜になりうるのだろうか。
それがこの展覧会の一つの大きなテ-マになると考えている。
2022/9/13 岩澤武司
▶︎岩澤武司 TAKESHI IWASAWA
1959年 大阪府生まれ
1983年 愛知県立芸術大学絵画(油画)科卒業
1984年 個展(ギャラリ-16)‘85‘86‘89‘92‘94‘97
2011年 個展(ギャラリ-16)「瞳景」‘13「瞳景-赤い記憶」
2012年 京展 京展賞:版画部門(京都市美術館)
2013年 京展 入選:版画部門(京都市美術館)‘14‘15‘16版画・洋画部門
2014年 平等院表参道美術作品公募展 優秀賞 宇治平等院鳳翔館
2016年 個展「瞳景-青の履歴」(ギャラリ-16) 京都グラフィ-(KG+)参加
2017 年 THREE POSITION 展(銀座うしお画廊)‘18‘19‘20‘21‘22
2018 年 第 45 回現代美術茨木-2018 展‘21‘22