Yui Takehito solo exhibition
2019年7月2日(火)〜7月7日(日)
12:00〜19:00(最終日〜18:00)
子どもは言葉を覚えるときに、それ以前の赤ちゃん語を忘れる。そのように、言葉はいつも「消えてしまった言葉のエコー」である。そして、忘れることは創造の源でもある。
「エコラリアス 言語の忘却について」 ダニエル・ヘラー=ローゼン 著 関口涼子 訳 内容紹介抜粋
人はなぜ絵を描くのかという問いは、人にはなぜ絵が見えるのかという問いと根は同じではないかと思う。そこにはまちがいなく言語が関わっていると思うが、気になるのは言語からイメージまでの距離である。モチーフはできるだけ不意にくるものを好んでいる。新しいペンを買った時の試し書きの線、何気なく歩いている時に携帯で撮った写真、生活の中で何となく目に留まったもののスケッチ。それらをドローイングして無意識を意識化し、時には時空の異なるモチーフが画面上でつながったり響きあったりする。その行為の中で「意味が正確には理解できないけど実を感じるもの」が現れてくるのを待っている。
エコラリア=反響言語。言語習得期などに見られる言葉を反復して発すること。
自分に見えている世界を言語としてうまく定着できないくらいの実とイメージの距離感を保てれば、それが自身の絵画にとって理想的なイメージまでの距離であると思う。
由井武人
由井武人 YUI TAKEHITO
1979年 京都に生まれる
2002年 京都造形芸術大学洋画コース卒業
2003年 混沌から躍り出る星たち2003 (スパイラル/東京)
2004年 京都造形芸術大学大学院修士課程修了
2005年 Xhibitions #01 (miho katuragiギャラリー/京都)
2006年 Almost painting (ギャラリー山口/大阪)
Xhibitions #03 (ギャラリーRAKU/京都)
2008年 個展「 ある日描いた器を太陽と呼ぶ 」(立体ギャラリー射手座/京都)
2009年 「 Cloud 」(ルーチェベルテ/愛媛)
個展「 ある日描いた器にとまる蝶 」(立体ギャラリー射手座/京都)
2010年 「京都造形芸術大学通信教育部教員25人展」(ギャラリーヒルゲート/京都)
2011年 「ORA展vol.3」(コートギャラリー/東京)
「谷崎潤一郎の愛した宿にてーそれぞれの隈を考えるー」(祇園森庄/京都)
2012年 GEISAI#17(東京)
「物が語る」(イムラアートギャラリー/京都)
2013年 「ACTアート大賞展 」最優秀賞 (ACTギャラリー/東京)
「トーキョーワンダーウォール2013 」入選(東京都現代美術館)
2014年 「京都府美術工芸新鋭展 」 (京都府立文化博物館)
個展「ある日の空のあるべきようは」(ACTギャラリー/東京)
2015年 個展「景々として世」(ギャラリー恵風/京都)
2017年 「宮本三郎デッサン記念大賞展2017」入選(府中市美術館/東京)