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Exhibitions

「逆遠近ことはじめ」 柏原えつとむ学生時代

Etsutomu Kashihara

2019年2月12日(火)〜2月23日(土) 
12:00〜19:00(日曜・最終日〜18:00/月曜・休)

  

「逆遠近ことはじめ」 柏原えつとむ学生時代

 柏原えつとむは1941年神戸に生まれ、1961年より多摩美術大学で絵画を学びました。1960年代後半より「箱」を錯覚的な遠近を用いて描いた作品《Silencer》シリーズ(1967-68年)の発表を始めます。その後、小泉博夫・前川欣三両氏と恊働した《Mr.Xとは何か?》(1968-69年)、またマリリン・モンローの肖像を原画として、トレース、カット、スケッチなどの作業を展開していく《方法のモンロー》(1973年)などの代表作が生まれていきます。
 本展では、柏原のデビュー以前の学生時代(1961-65年)に焦点をあて、当時の美術動向が彼の思考にどのように影響し、その後の制作へと導かれるのか、当時の貴重な油画ならびにドローイング作品と共に巡ります。
 柏原は、大学在学当初の遠近法にこだわりはじめた具象的傾向の作品を“逆遠近”と呼んでいます(1961~1962年)。いわゆる西洋的な空間把握の遠近法ではなく、日本画や東洋画の世界の平行遠近法や上下遠近法を取り入れて、現実の風景に対して絵画の奥行き・遠近を自己の作品課題として模 索していた頃の作品です。その後、遠近というテーマをさらに絞り込み、モチーフを箱に限定してその可能性を抽象化した作品として「Silent Box」や「To Horizon」のシリーズ(1963~1965年)へと移行していきます。
遠近法というのは単なる絵画的技術にとどまるのではなく、絵画を成立させるイデオロギー。技術の問題ではなく、むしろ視覚や思想まで改革していこうとする意志が、柏原の学生時代の油画から読み取れます。

 Etsutomu Kashihara born in Kobe, 1941, studied painting at Tama College of Art since 1961. From late 60’s he starts creating a series of 《Silencer》 which depicting “a box” with illusory perspective. Afterward, he produced representative works such as 《What is Mr.X?》(1968-69) work collaborated with Hiroo Koizumi, and Kinzo Maekawa, and《My Methods Inspired by Marilin》(1973) , which develops the process of work including tracing, cutting, and sketching based on portrait of Marilyn Monroe.
 This exhibition concentrated on Kashihara’s oil painting and drawing from the college (1961-65) with understanding how art movement at that moment affect his mind, and how it leads to his later works.
 Kashihara named his painting from the early college years as “reserved perspective.”(1961~62), the painting concentrates on perspective and representational style. Instead of referring a Western-style perspective, he adopts the Parallel and Aerial perspective, which is mainly used for the Japanese painting and Oriental painting, and fumble for depicting pictorial depth and perspective in real scenery as his theme of work. Later he moved to create series of 《Silent Box》 and 《To Horizon》 (1963~65) which narrowing down the theme of perspective and depicting only a box to give an abstract its possibility.
 Perspective is not only the pictorial technique but also it is an ideology to materialize the picture. Through his earlier work, we could read his will for reorganizing not only a technical issue but also a sense of vision and idea.

 

柏原えつとむ Etsutomu KASHIHARA

  1941 神戸市に生まれる
  1965 多摩美術大学絵画卒業
● 主な個展
  シリーズ「〈展〉 — 柏原えつとむ(1970-99)」
  シリーズ「方法のモンロー展(1972-5)」
  シリーズ「未熟な箱たち(1973-4)」
  シリーズ「図の像(1978-81)」
  シリーズ「Sの部屋から」(1987-9)
  シリーズ NOTES 1999 IN HOFU (防府市・アスピラート)
  シリーズ NOTES 1999 IN TOKYO(コバヤシ画廊)
  シリーズ NOTES 2000 IN KYOTO(ギャラリー16/京都)
  シリーズ NOTES 2006 IN KYOTO(ギャラリー16/京都)
  〈私〉の解体へ 柏原えつとむの場合 (国立国際美術館/大阪 2012)
  《約束の絵画》・柏原えつとむ展(サイ・ギャラリー/大阪 2014)
  柏原えつとむ展「たましひが耳をすますと」(ギャラリー16/京都 2016)
  柏原えつとむ展・想図「Sの迷宮」(ギャラリー16/京都 2018)
  柏原えつとむ「プールの時間」(サイ・ギャラリー/大阪 2018)

● 主たる企画展への出品
  サンパウロ・ビエンナーレ展(1973)
  パリ青年ビエンナーレ展(1975)
  現代美術における写真展(国立近代美術館1983)
  現代絵画の20年展(群馬県立近代美術館 1984)
  第3回富山国際現代実術展(富山県立近代美術館1987)
  ドローイングの現在展(国立国際美術館 1989)
  戦後文化の軌跡1945-1995 (目黒美術館ほか1993)
  グローバル・コンセプチュアリズム展
  (ニューヨーク・クイーンズ美術館ほか 1999-2000)
  「本という美術」(うらわ美術館 2001)
  「日本の70年代 1968-1982」(埼玉県立近代美術館 2012)
  『Re : play 1972/2015 「映像表現’72」展、再演』(東京国立近代美術館 2015)
  1968年 激動の時代の芸術(千葉市美術館2018)